大阪高等裁判所 昭和31年(ネ)1362号 判決 1960年2月29日
控訴人 梅本敬一
被控訴人 奥山寿夫 外一名
主文
原判決を左のとおり変更する。
被控訴人等は連帯して控訴人に対し、金二十三万四千二百十円、及びこれに対する昭和三十一年十一月十日以降右完済に至る迄、年五分の割合による金員を支払はねばならぬ。
控訴人のその余の請求を棄却する。
訴訟費用は第一、二審を通じてこれを四分し、その一を控訴人の負担とし、その余を被控訴人等の負担とする。
この判決は仮に執行することができる。
事実
控訴代理人は「原判決中控訴人敗訴の部分を取消す。被控訴人等は連帯して控訴人に対し、金六十万円及びこれに対する昭和二十七年八月一日以降右完済に至るまで年五分の割合による金員を支払はねばならぬ。訴訟費用は第一、二審共被控訴人等の負担とする。」旨の判決竝に仮執行の宣言を求め、被控訴人等は「本件控訴を棄却する。控訴費用は控訴人の負担とする。」旨の判決を求めた。
控訴代理人の主張は左に記載する外は、原判決事実摘示の主張事実と同一であるから、こゝにこれを引用する。
控訴代理人の主張
「一般に、家屋明渡請求事件に関する弁護士報酬の算定の基準たる経済的利益は、その賃借権の価額によるべきものとせられているのであるが、控訴人が被控訴人から明渡請求事件の委任を受けた家屋は、浴場建物竝にこれに附属の居宅であつて、その明渡を受けた上は、直ちに営業収益を挙げることができるものであつて、その浴場営業権の回復を主体とするものである。
従つてかゝる場合における報酬金算定の基準となる経済的利益は、通例建物所有権価格の百分の五十乃至七十に相当するものとせられる賃借権の価額によるべきではなくして、右建物自体の価額を基準とするのが相当である。而して日本弁護士連合会の報酬等基準規定によれば、報酬は一箇の事件毎に定めるものとし、且裁判上の事件は審級毎に一箇の事件とせられるのであつて、大阪弁護士会の報酬規定もこれに則り、且右は多年にわたつて同弁護士会において慣行せられて来たところでもある。而して控訴人が昭和二十二年四月に本件家屋明渡請求の第一審事件を受任した当時における大阪弁護士会報酬規定、竝にその後昭和二十四年九月以降改定施行せられた報酬規定は別紙添附の新旧各報酬規定のとおりであるから、これによつて本件各受任事件の着手金を含む報酬額を算定すると左のとおりとなる。
(1) 昭和二十二年四月第一審事件の受任による着手金は、訴額金二十七万二千円に対して金四千五百三十円。
(2) 右第一審事件に附随して受任した仮処分事件の着手金は、前記着手金の二分一として金二千二百六十五円。
(3) 昭和二十二年五月右仮処分事件の目的達成による成功報酬は、前記訴額の一割として金二万七千五百円。
(4) 昭和二十四年七月、第一審事件の勝訴による成功報酬は、当時の建物価格金百三十三万六千円の三割(但し十二分に謝礼するとの特約による。)として金四十万八百円。
(5) 昭和二十四年九月第二審事件の受任による着手金は、前同建物価格を基準として金九万七千百円。
(6) 昭和二十六年十月調停受任による着手金は、当時の建物価格金百六十万九千円を基準として金四万千七百二十五円。
(7) 昭和二十五年十一月右調停事件の目的達成による成功報酬は、前同建物価格の一割として金十六万九百円。
(8) 昭和二十六年五月第二審事件の勝訴による成功報酬は、当時の建物価格金百八十八万二千円の三割として金五十六万四千六百円。
(9) 昭和二十六年十一月上告事件の受任による着手金は、当時の建物価格金二百十三万九千円を基準として金十万九千九百五十円。
以上合計金百四十万九千七十円となるのであつて、仮に右報酬額算定の基礎たる経済的利益は、建物価額の百分の七十に当るものとして計算しても、右報酬合計額は金七十七万二千二百三十五円となる。よつて被控訴人等に対しその内金六十万円及びこれに対する訴状送達の翌日である昭和二十七年八月十五日以降年五分の割合による遅延損害金の連帯支払を求める。
なお被控訴人等の当審における主張事実中、被控訴人等が昭和三十一年十一月九日に本件謝金の内金二十万円を持参弁済したこと、竝に控訴人が本件不動産仮処分事件において、被控訴人等から委託を受けた保証金八千円を供託していることはこれを認めるが、その余の主張は凡て争う。」
控訴人中広の主張は、左に記載する外は、原判決事実摘示と同一であり、また被控訴人奥山の主張は左に記載する外は、被控訴人中広の原審における主張と同一であるから、原判決事実摘示中被控訴人中広の主張とあるを、被控訴人両名の主張と訂正して、こゝにこれを引用する。
被控訴人両名の主張。
「被控訴人等は、昭和二十二年中に、控訴人が着手金として支払を受けたことを自認する金三千円の外に、別に金八千円の着手金を支払つているし、また控訴人は被控訴人等の委託によつて、本件不動産の仮処分事件の保証金として供託した金八千円を取戻し受領しているから、右金員は当然に本件謝金の内金に充当せらるべきものである。のみならず、被控訴人等は、本件の原判決言渡後である昭和三十一年十一月九日金二十万円を被控訴人の住所に持参弁済している。」
証拠関係について、控訴代理人は甲第一号証の一、二、第二号証乃至第六号証、第七号証の一、二、第八号証、第九号証、第十号証の一乃至十二、第十一号証乃至第十三号証の一、二、第十四号証の一乃至三を提出し、原審証人大月伸の証言原審における控訴人本人尋問の結果、原審鑑定人佃順太郎、同山本雅造、当審鑑定人川上佐一、同中塚正信各鑑定の結果を援用し、なお原審は職権を以て被控訴人中広璋本人尋問をした。
理由
大阪弁護士会所属の弁護士である控訴人は、昭和二十二年八月十九日浴場業を営む被控訴人両名より、訴外岡野吉太郎外一名に対する家屋明渡等請求訴訟の委任を受けると共に、着手金三千円、訴訟費用金二千円を受領したこと、よつて控訴人は被控訴人等のために訴訟を提起した結果、第一、二審共被控訴人等の勝訴となつたが、訴外岡野等より上告し、上告審に係属中、訴外岡野等は右家屋より任意退去してこれを被控訴人等に明渡したことは当事者間に争がなく、成立に争のない甲第一号証の一、二と、原審における控訴人本人尋問の結果によると、控訴人は訴外岡野等に対する右家屋明渡請求訴訟(大阪地方裁判所昭和二三年(ワ)第八八七号事件)の提起と共に、大阪地方裁判所昭和二二年(ヨ)第四七四号不動産仮処分事件の申請をなし、同日右仮処分命令を得てこれを執行したこと、右第一審事件の勝訴判決がなされたのは昭和二四年七月二日であり、その第二審事件(大阪高等裁判所昭和二四年(ネ)第二九四号事件)の勝訴判決がなされたのは昭和二十六年五月二十六日であつて、その間控訴人は訴外人より申立てた調停事件についても被控訴人等の代理人として出頭し、訴外人等と折衝し、これを不調ならしめたこと、竝に訴外人等は、右第二審判決に対する上告事件(最高裁判所昭和二六年第四五号事件)の係属中である昭和二六年十一月上旬頃右家屋より退去明渡すに至つたこと、竝に控訴人は謝礼は後日十二分にするとの約束に基いて右各事件の処理に当つたものであるが、被控訴人等は右明渡を受けた家屋において直に浴場業を営み現に盛業中であることを認めることができる。
よつて被控訴人等が控訴人に支払うべき報酬額算定の基準について考えるに、控訴人が昭和二十二年四月に家屋明渡請求の第一審事件を提起した時における訴訟価格が金二十七万二千円であることは、被控訴人等の明に争はぬところであるから、これを自白したものとみなすべく、また当審鑑定人川上佐一の鑑定結果によると、本件家屋の浴場営業権を含む相当価格は(イ)前記第一審判決がなされた昭和二十四年七月頃において金百三十三万六千円(ロ)第二審判決がなされた昭和二十六年五月頃においては金百八十八万二千円であることが認められるところ、右家屋は、明渡を受けた上は直にこれを浴場営業に供用して収益を挙げ得べきものであつたことは、本件弁論の全趣旨により明であるから、この点を参酌し、その明渡によつて得べき経済的利益は、建物価格の百分の七十に相当するものと解すべく、従つて右経済的利益は、昭和二十四年七月頃において金九十三万五千二百円、昭和二十六年五月において金百三十一万七千四百円、相当であるとしなければならぬ。控訴人は、本件家屋の明渡による経済的利益は建物価格と同等であると主張するけれども、浴場建物として営業に供用し得るからといつて特にその明渡による経済的利益が建物価格と同等であると解すべき理由はないから、控訴人の右主張はこれを採用することができぬ。而して成立に争のない甲第十四号証の一、二によると、昭和二十四年八月迄施行せられた大阪弁護士会報酬規定、竝にその後昭和二十四年九月以降改定施行せられた報酬規定は、いずれも控訴人の主張するとおりであることが認められるところ、その新規定第四条は、成功報酬は経済的利益の百分の十乃至三十の範囲内においてこれを定めることとし、その具体的決定は、事件の難易、訴訟委任の態容等諸般の事情に応じて、公正に定められることを予定しているものと解せられる。よつて本件家屋明渡について控訴人が受任した各事件の成功報酬を如何に定めるのが相当であるかについて、更に考究するに、原審における控訴人本人尋問の結果と、本件弁論の全趣旨を綜合すると、右の家屋明渡事件は、その難易の程度において通常度のものと認められること、竝に前認定のように控訴人は、その三審級を通じて附随事件に至る迄全面的に受任していること、成立に争のない甲第二号証(日本弁護士連合会報酬等基準規程)竝に原審証人大月伸の証言によれば、弁護士が取得する報酬は、如何なる場合においてもその全部を合算して、当事者の受ける経済的利益の百分の五十を超えてはならぬものとする、一般的な倫理が存在するものと認め得ること、以上の各事実を綜合して、控訴人が受任した各事件の成功報酬は、それぞれ当該場合における経済的利益の一割を以て相当とするものと判断するる。但し本案事件に附随して受任した仮処分事件の成功報酬については、前記大阪弁護士会の報酬規定には直接に定めているところがないけれども甲第二号証によると、日本弁護士連合会の報酬等基準規程第三条の二は、右の場合の報酬はこれを本案の報酬に包含せしめない場合においては、本案報酬の二分一以下としていることが認められるから、右規定に準して、これを経済的利益の五分とするのが相当である。然るに控訴人は、被控訴人等が十二分に謝礼することを約した本件においては、成功報酬は経済的利益の三割を以て相当とすると主張するけれども、およそ訴訟の当事者が弁護士に事件を依頼するに当つて、後日十二分に謝礼する旨を述べたとしても、右は世上の儀礼的言辞たるに止まり、結局は客観的に相当な報酬額の支払を約したに過ぎぬものと解すべきであるから、控訴人の右主張は失当である。また控訴人は、第二審事件の係属中に相手方より申立てられた調停に出頭して、これを調停不成立ならしめたことにより、その着手金竝に成功報酬を請求し得る如く主張しているけれども、弁護士が、本案事件の外に更に特別の委任を受けて調停申立をなす場合は格別として、単に訴訟の相手方より申立てられた調停の期日に出頭して調停を拒否し、これを不調ならしめるが如きは、結局当該訴訟手続に附随する事務の処理たるに止まり、これにより何等当事者のために経済的利益をもたらすところはないのであるから、これを理由として別に着手金または成功報酬を請求し得べき限りでないとしなければならぬ。また控訴人は上告事件の着手金については、昭和二十六年十一月事件解決の時の経済的利益を基準として計算すべきものゝように主張しているけれども、上告事件についてもその受任当時における経済的利益を基準として、着手金を算定すべく、これを第一、二審事件と別異に扱うべき根拠はないから、控訴人の右主張も失当である。
よつて以上に認定するところに基いて、前記調停を除く各受任事件について報酬金額を算定するに、
(1) 昭和二十二年四月第一審事件の受任による着手金は、その訴額金二十七万二千円に対し、別紙旧規定第二条の計算により金四千五百三十円。
(2) 同仮処分事件の受任による着手金は、前記着手金額の二分一として金二千二百六十五円。
(3) 同仮処分事件の目的達成による成功報酬は、訴額金二十七万二千円の五分として金一万三千六百円。
(4) 昭和二十四年七月第一審事件の勝訴による報酬はその経済的利益額金九十三万五千二百円の一割として金九万三千五百二十円。
(5) 昭和二十四年九月第二審事件の受任による着手金は、前同経済的利益額に対し、別紙新規定第三条の計算により金四万九千七百六十円。
(6) 昭和二十六年五月、第二審事件の勝訴による成功報酬は、その経済的利益額金百三十一万七千四百円の一割として金十三万千七百四十円。
(7) 昭和二十六年五、六月頃上告事件の受任による着手金は、前同経済的利益額の五分として金六万五千八百七十円。
以上合計金三十六万千二百八十五円となるのであつて、右の認定はその計算の根基において異るけれども、当審鑑定人中塚正信において、本件報酬金額は金三十五万七千二百五十円を以て相当であるとする鑑定結果と略一致するものである。なお右報酬額の算定に着手金を包含せしめている点について附言するに、いわゆる着手金なるものは、事件の成否にかかわりなく支払はれる訴訟委任の報酬であつて、通例は委任契約の締結と同時に前払せられるところからこの名称があるものと思はれるけれども、当事者間の特約を以てこれを後払いとするに妨げはなく、原審における控訴人本人尋問の結果によると、後記支払済の着手金三千円を除くその余の着手金については右後払いの約定があつたものと認められるから、これを本件報酬金の中に計上するを妨げない。然るに控訴人は、昭和二十二年四月事件の受任と同時に着手金三千円を受領したことを自認しているから、結局被控訴人等は連帯して控訴人に対し、右金三千円を控訴した報酬金三十五万八千二百八十五円、及びこれに対する、本件訴状副本が被控訴人等に到達した日の翌日である昭和二十七年八月十五日以降右完済に至る迄、年五分の割合による遅延損害金を支払うべき債務を負担していたものとしなければならぬ。然るに本件の第一審判決言渡後たる昭和三十一年十一月九日、被控訴人等が控訴人方に金二十万円を持参弁済したことは控訴人の自認するところであり、右弁済に当つて弁済充当指定がなされたことは、被控訴人等の何等主張しないところであるから、法定の充当方法に従つて計算するに、前記金三十五万八千二百八十五円に対する、昭和二十七年八月十五日以降昭和三十一年十一月九日迄の遅延損害金は金七万五千九百二十五円となるから、被控訴人等が弁済した金二十万円は、先ず右遅延損害金に充当せられ、その残金十二万四千七十五円は前記報酬金の元本に充当せられ、差引その残額は金二十三万四千二百十円となつたものとしなければならぬ。被控訴人等は、右の外に(イ)仮執行の保証金として前後二回にわたつて控訴人に交付した金一万六千円(ロ)昭和二十二年中別に着手金として控訴人に交付した金八千円(ハ)仮処分事件の保証金として供託した金八千円は、いずれも本件報酬金額より当然に控除せらるべき旨を主張するけれども、右(イ)(ロ)の事実はこれを認め得る証拠がなく、また(ハ)の事実については、被控訴人等主張の金員が供託せられていることは被控訴人の争はぬところであるけれども、控訴人が右供託金の取戻しをなし、自ら保管している事実はこれを認め得る証拠がないから、右(イ)(ロ)(ハ)の各金員が、本件報酬金額より控除せらるべき旨の被控訴人等の主張はこれを採用することができぬ。してみると浴場業を営む商人である被控訴人等は、連帯して控訴人に対し、前記報酬金残額金二十三万四千二百十円、及びこれに対する、昭和三十一年十一月十日以降右完済に至る迄、年五分の割合による遅延損害金を支払うべき義務があるとしなければならぬから、本訴請求は右に認定する限度においてはその理由があるものとしてこれを認容し、その余の部分はこれを棄却すべきであつて、右と異る原判決は右のとおり変更すべく、民訴法第三八六条、第九六条、第九三条、第八九条を適用して主文のとおり判決する。
(裁判官 田中正雄 観田七郎 河野春吉)
(旧)報酬規定(昭和十六年六月一日施行)
第一条 <省略>
第二条 訴訟事件ノ着手金ハ左ノ通トス
訴訟価格 金弐百円以下ノ事件 金弐拾五円
同 金参百円以下ノ事件 金参拾円
同 金五百円以下ノ事件 金四拾円
同 金壱千円以下ノ事件 金五拾円
同 金壱千五百円以下ノ事件 金七拾五円
同 金弐千円以下ノ事件 金壱百円
同 金弐千五百円以下ノ事件 金壱百弐拾円
同 金参千円以下ノ事件 金壱百五拾円
同 金四千円以下ノ事件 金弐百円
同 金五千円以下ノ事件 金弐百五拾円
同 金五千円ヲ超ユル事件ハ其超ユル金額ニ付其千分ノ三十ヲ加フ
同 金壱万円ヲ超ユル事件ハ其超ユル金額壱千円ニ付其千分ノ二十ヲ加フ
同 金五万円ヲ超ユル事件ハ其超ユル金額壱千円ニ付其千分ノ十五ヲ加フ
第三条 仮差押事件、仮処分事件、強制執行事件、競売法ニ依ル競売事件、調停事件、及和解ノ申立事件ノ着手金ハ前条所定ノ五分ノ一乃至二分ノ一トス
第四条 勝訴又ハ委託ノ目的ヲ達シタルコトニ依リテ受クル謝金ハ其価格ノ百分ノ十トス
事件受任後和解又は調停成立シタルトキハ委託ノ当事者間ニ於テ特別ノ契約ナキ限リ之ヲ勝訴ト同視シ其謝金ヲ受ク
事件受任後委任者ニ於テ任意事件ヲ終了セシメ又ハ正当ノ理由ナクシテ委託ヲ解除シタルトキ亦同シ
第五条 本規定ニ依ル着手金及謝金ハ各審毎ニ之ヲ適用ス
第六条 以下略
(新)報酬規程(昭和二十四年九月二十二日日本弁護士連合会承認)
第一条 <省略>
第二条 <省略>
第三条 保全処分、訴訟、非訟、執行、破産、調停、審判、審査請求、異議申立、訴願その他民事又は行政に関する受託事件の着手金は、経済的利益を標準として次のように定めるものとする。
一 参万円以下 金参千円
二 五万円以下 金五千円
三 拾万円以下 金八千円
四 拾万円を超える事件については超える額の百分の五を加えるものとする。
前項の受託事件の手続と関連して他の手続をする場合は各手続ごとに、別にその半額を加算するものとする。
第四条 勝訴又は受託の目的を達したことによつて受ける謝金は経済的利益に対する百分の十乃至三十の範囲内においてこれを定めるものとする。
但し金参千円を下らないものとする。
第五条 経済的利益を算定することの困難な事件の着手金及び謝金は、事件の性質、手数の繁簡等を参酌して、第三条及び第四条の規定に準じてこれを定めるものとする。
第六条 以下略